日本の国政選挙・地方選挙の殆どで、選挙に出馬するにあたり、「供託金(きょうたくきん)を預ける」という制度があります。
保証金として預けるとは言え、選挙の種類によっては、安くはない金額です。
供託金の制度が存在する理由は、安易に立候補する者によって選挙の質と内容が低下することを防ぐ事にあります。
さらに、供託金には、「供託金没収点」と言って、「獲得票数」が、選挙の結果から算出される票数(これが供託金没収点)以上でないと、預けたはずの供託金が没収されてしまうというルールになっています。
選挙にはお金がかかると言いますが、預ける・戻す・没収されるという選挙での大きなお金こそ、供託金と言えます。
この記事では、2020年実施の東京都知事選挙にあたり、都知事選での供託金について、前回2016年の都知事選挙の情報を元に算出してみた結果を紹介しています。
参考:供託金没収点の規定 没収された供託金の使い道と没収点の計算方法
東京都知事選挙2020でかかる供託金の総額と没収額
全国都道府県知事の選挙に立候補する際には、【300万円】の供託金を預ける必要があります。
2020年7月5日投票の東京都知事選挙での、供託金の総額については、告示日を迎えて、立候補者の人数が確定しないと、正確な数字は出ませんが、現状の趨勢では「20人弱」といったところです。
ざっと、300万円×20人=6,000万円
といったところです。
このうち、いくらが、没収されてしまう供託金なのか?
これも、選挙結果が判明しないと正確には申せません。
そこで、次項、2016年の都知事選の結果から算出し、予想してみたいと思います。
東京都知事選挙2016の開票結果と供託金没収点の計算
前回、2016年の東京都知事選挙の当開票の結果(当選者・落選者)一覧は以下のとおりでした。
no | 結果 | 得票数 | 氏名 | 年齢 | 性別 | 党派 | 新旧 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 当 | 2912628 | 小池 百合子 | 64 | 女 | 無所属 | 新 |
2 | 1793453 | 増田 寛也 | 64 | 男 | 無所属(自民、公明、こころ推薦) | 新 | |
3 | 1346103 | 鳥越 俊太郎 | 76 | 男 | 無所属(民進、共産、社民、生活推薦) | 新 | |
4 | 179631 | 上杉 隆 | 48 | 男 | 無所属 | 新 | |
5 | 114171 | 桜井 誠 | 44 | 男 | 無所属 | 新 | |
6 | 51056 | マック 赤坂 | 67 | 男 | 無所属 | 新 | |
7 | 28809 | 七海 ひろこ | 32 | 女 | 幸福実現党 | 新 | |
8 | 27241.98 | 立花 孝志 | 48 | 男 | NHKから国民を守る党 | 新 | |
9 | 16664 | 高橋 尚吾 | 32 | 男 | 無所属 | 新 | |
10 | 16584 | 中川 暢三 | 60 | 男 | 無所属 | 新 | |
11 | 15986 | 山口 敏夫 | 75 | 男 | 国民主権の会 | 新 | |
12 | 8056 | 岸本 雅吉 | 63 | 男 | 無所属 | 新 | |
13 | 7031 | 後藤 輝樹 | 33 | 男 | 無所属 | 新 | |
14 | 6759 | 谷山 雄二朗 | 43 | 男 | 無所属 | 新 | |
15 | 4605 | 武井 直子 | 51 | 女 | 無所属 | 新 | |
16 | 4010 | 宮崎 正弘 | 61 | 男 | 無所属 | 新 | |
17 | 3332 | 望月 義彦 | 51 | 男 | 無所属 | 新 | |
18 | 3116 | 山中 雅明 | 52 | 男 | 未来(みらい)創造経営実践党 | 新 | |
19 | 3105 | 今尾 貞夫 | 76 | 男 | 無所属 | 新 | |
20 | 2695 | 内藤 久遠 | 59 | 男 | 無所属 | 新 | |
21 | 1326 | 関口 安弘 | 64 | 男 | 無所属 | 新 |
供託金の総額と没収された供託金の額
以上の資料からまず、「供託金没収点」を計算してみます。必要な資料として、以下に選挙の概要と結果を記します。
東京都知事選挙(2016年7月14日投票)の投開票結果
- 東京都(とうきょうと)
- 東京都知事選挙(2016年7月31日投票)
- 告示日:2016年7月14日
- 投票日:2016年7月31日
- 定数 / 候補者数:1 / 21
- 執行理由:辞職
- 有権者数:11,083,306人
- 投票率:59.73%
全21名の立候補者が獲得した「有効な投票数」の合計:【6,546,361.993票
】
※ これは、有権者数×投票率の結果より「7万3千票強」少なく、無効票が7万票を超えるという事実を示しています。
都知事選挙における「供託金没収点」は、有効な投票数の「10分の1」なので、
東京都知事選挙2016の供託金没収点:【654,636票(端数割愛)】
かなり高い数字(票数)となり、この獲得票数に達しなかった候補者が、21名中18名にも及びます。
結果として、
東京都知事選挙2016の供託金総額:6千3百万円
東京都知事選挙2016の供託金没収の総額:5千4百万円
となります。
2020年の東京都知事選挙でも、これとほぼ似通った結果となりそうです。