市長選挙

市川市長選挙が再選挙|地方選で過去5例の異例選挙!

 

2017年11月26日に実施された任期満了に伴う千葉県市川市の市川市長選挙が投開票の結果、再選挙の見通しとなりました。

再選挙の見通しとなった理由は、立候補した無所属・新人の5人がいずれも、法定得票(有効投票総数の四分の一)に達しなかった為、当選者が出なかったことによります。これを受けて、公選法の規定により、14日間の異議申し出期間を経た後に、50日以内に再選挙が行われる見通しとなっています。

今回、再選挙となった市川市長選挙のような例は極めて異例であり、数ある市区町村の首長選挙でも、これまで、「1979年4月の千葉県富津市長選」以来の5例があるのみで、今回はその6例目となりました。

以降、この記事では、以下の項目について述べると共に、市川市長選挙2017の再選挙について振り返っています。

  • 再選挙とは何か?
  • 法定得票とは何か?
  • 日本の選挙の法定得票(算出)
  • 市川市長選挙の開票結果(再選挙となった結果)
  • 過去の再選挙(異例の5選挙)

再選挙とは?|今回、市川市長選挙が再選挙となった理由

日本で行われている選挙で再選挙が実施される理由には、立候補者がその選挙での定員に満たない場合や当選者がその後、種々の理由で当選無効となった場合などいろいろとあります。

今回(2017年)の市川市長選挙における再選挙の場合は、立候補者5名全員の得票数がいずれも「法定得票数」である「有効投票」の4分の1以上を獲得できず、従って繰り上げ当選等、その他適法な処置も不可能となり、「再選挙」実施の見通しになったものです。

法定得票とは何か?

市長や町長などの、市区町村で行われる「首長選挙」や衆議院の小選挙区制度では、「得票数1位」の人が1人当選する仕組みになっています。また、市区町村の議会議員選挙や大選挙区制では、「定数に応じた人数」までが当選仕組みになっています。

しかし、その選挙に多数の立候補者が乱立するケースもあり、この場合、著しく得票率の低い候補者が当選順位内に入ることも起こってきます。これを防ぎ、得票率に足切りを設定したのが、「法定得票」です。

法定得票の得票数は各選挙での得票率に応じて決まってきます。また、法定得票という場合、得票率または得票数の双方を意味しています。

首長選挙では1人を選ぶわけですが、複数の候補者全員の得票率が著しく低い場合もあり、この場合も「法定得票」が適用されます。

日本の選挙の法定得票

日本の公職選挙における選挙の種類ごとの「法定得票」は以下のように算出されます。

  1. 衆議院小選挙区の法定得票:有効得票総数÷6
  2. 衆議院比例代表の法定得票:なし。
  3. 参議院選挙区の法定得票:有効得票総数÷議員定数÷6
  4. 参議院比例代表の法定得票:なし。
  5. 都道府県知事の法定得票:有効得票総数÷4
  6. 都道府県議会議員の法定得票:有効得票総数÷議員定数÷4
  7. 市町村の長の法定得票:有効得票総数÷4
  8. 市町村の議会の議員の法定得票:有効得票総数÷議員定数÷4

今回、市川市長選挙の再選挙における「法定得票」には、7番の「市町村の長の法定得票」が採用されます。

市川市長選挙の開票結果(再選挙となった結果)

今回、再選挙の事態となった2017年11月26日実施の市川市長選挙の最終結果は以下のとおりでした。

千葉県 市川市(いちかわし)
市川市長選挙(2017年11月26日投票)

[告示日]2017年11月19日
[投票日]2017年11月26日
[有権者数(人)]393,815
[投票率(%)]30.76
[執行理由]任期満了
[定数 / 候補者数] 1 / 5

[投票者数(人)]121,124
[有効投票数(人)]119,078
[無効投票数(人)]2,043
[持ち帰り(人)]3

★法定得票:29769票

法定得票は29,769票でした。最多得票の無所属新人の元衆院議員村越祐民氏(43歳)でも1,660票足りない状況。村越氏は「もう一度選挙に出させていただき、しっかりと決着をつけたい」と話しています。


2017年11月26日実施の市川市長選挙の最終結果

no 得票数 氏名 年齢 性別 党派 新旧
1 × 28109 村越 祐民
むらこし ひろたみ
43 無所属(共産、自由、社民、民進推薦)
2 × 27725 坂下 茂樹
さかした しげき
43 無所属(自民推薦)
3 × 26128 田中 甲
たなか こう
60 無所属
4 × 20338 高橋 亮平
たかはし りょうへい
41 無所属
5 × 16778 小泉 文人
こいずみ ふみと
44 無所属

 

市川市長選挙の再選挙と過去の異例5選挙

今回、法定得票に達する候補者がなく再選挙となった「市川市長選の再選挙」が異例の事態であるのは、市区町村(地方自治体)の首長選挙において、再選挙の例が、過去5例しかないことによります。全国市区町村の数は数千に及びます。その内「過去に5例のみ」とは、まさに異例の事態であります。

では、市川市長選以前の異例の再選挙には何があったのでしょう。

過去異例の首長選挙(再選挙)の5例とは以下のとおりです。判明したものには関連リンクを付しています。

① 1979年4月の千葉県富津市長選

② 1992年2月の奈良県広陵町長選
当時の選挙結果(平成4年2月2日執行)
再選挙の結果(平成5年8月8日執行)

③ 2003年4月13日の北海道札幌市長選
再選挙の結果(平成15年6月8日執行)

④ 2007年4月22日の宮城県加美町長選

⑤ 2017年1月29日の鹿児島県西之表市長選
当時の選挙結果(2017年1月29日執行)
再選挙の結果(2017年3月19日執行)

市川市長選挙の再選挙を報じるメディア

2017年11月26日実施の市川市長選挙が、再選挙の見通しとなったことについては、テレビでの報道に加え、以下、各主要メディアが配信をしています。

市川市長選 混戦で再選挙に | 2017/11/27(月) 0:48 – Yahoo!ニュース

千葉・市川市長選、再選挙に…法定得票に届かず : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

千葉県市川市長選が再選挙に 5氏法定得票達せず(1/2ページ) – 産経ニュース

千葉・市川市長選、再選挙に 法定得票に届く候補おらず:朝日新聞デジタル

市川市長選、再選挙に 5候補、法定得票数達せず  :日本経済新聞

千葉 市川市長選は再選挙へ 必要な有効投票数に届かず | NHKニュース

市川市長選:再選挙へ 全5候補が法定得票数を獲得できず – 毎日新聞

東京新聞:市川市長選は再選挙 5新人、法定得票達せず:社会(TOKYO Web)

都道府県別の開票速報と開票結果

東北ブロック:青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県

北関東ブロック:茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県

南関東ブロック:千葉県 神奈川県 山梨県

東京ブロック:東京都

北陸信越ブロック:新潟県 富山県 石川県 福井県 長野県

東海ブロック:岐阜県 静岡県 愛知県 三重県

近畿ブロック:滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県

中国ブロック:鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県

四国ブロック:徳島県 香川県 愛媛県 高知県

九州ブロック:福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県